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2003.7.コモ湖

2003年7月コモ湖の宮殿にて

「国境越えて」

イタリア留学中は、北部のミラノに住んでいた。ご存じのように、イタリアは南北に長く、ブーツのような形の国。
ミラノから鉄道を使えば、南へ5時間でローマ、東へ3時間でヴェネチア、西へ3時間でトリノ、
北へ2時間でスイス国境に行ける。(時間は当時のもの)
ある日友人と不意に、コモ湖に行こうということになり、ミラノ中央駅から列車に乗り込んだ。
ミラノからコモ湖へは約1時半の距離。
秋口だったので暑くも寒くもなく、湖を散策するには絶好の陽気。
コモ湖は、イタリアを始め、世界のセレブたちの別荘が建ち並ぶことでも有名だ。
湖面にきらめく陽の光を、目を細めつつ感じ、何をするともなく時間を費やし、
さあ、そろそろミラノに戻るか、と、駅に向かう。
やってきた列車に乗り込み、ホンワリした気分を反芻しながら車窓を
眺めていた。
あれ!?…なんだか山が迫ってくる感じ…。
も、もしかして、間違えて反対に乗った!?
コモ湖の次の停車駅は国境を越えたスイスの駅。
キャー、引き換えさないと!!
その時、友人の様子がおかしいことに気が付いた。
どうしたの!?
パスポートを家に置いてきた…。
エーーーーっ!!ということは、パスポート不携帯で越境!?
これはマズイ。
いくら気の優しいイタリアの車掌さんとはいえ、
やはりそこは任務だろうから、厳しく問い詰められるだろうし、
果たしてミラノに無事帰ることができるのか心配になってきた。
私たちのいるコンパートメントに車掌さんが来た。
まだ拙いイタリア語を使い、力いっぱいの笑顔を作って応対。
私:あの〜実は友人が、いつもは持っているパスポートを今日に限って
置いてきてしまって…。しかも、私たちコモからミラノに帰ろうとして、
反対列車に乗ってしまったの…。
車掌:それは困るねぇ。次の駅で降りてもらって、そこの鉄道警察で
話を聞くよ。
私:(鉄道警察!?なんかいやな感じ…)そうですか。
ただ、反対列車に乗ってしまっただけなので、どうかお優しく、ね。
車掌:とにかく次の駅で降りて下さい。
私たち:~_~;

果てさて、駅に着いた私たち、車掌さんに誘われて駅の
鉄道警察へ。
そこでいくつかの質問を受けることに。
ミラノ滞在の目的は?
コモ湖へは何しに来た?
どうしてパスポート不携帯?
私は無事にミラノに戻りたい一心で、笑顔を絶やさず、
頭の中にあるイタリア語の単語を必死にかき集めて話した。
そのうち同僚たちが集まり始め、もの珍しげに私たちを観察していたが、
段々と場の雰囲気が和んでくる気配。
心配したほどのことは無さそう…
…ああ、無事にミラノに戻れるわ!
帰りの列車には車掌さんの同僚たちが乗り込み、
ミラノへの帰途に着いたのであった。
皆さん、海外滞在時には、パスポートの携帯をお忘れなく。。。

 

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